恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
早足で会社を出て、待ち合わせをしている近くのコンビニまで急ぐ。
社内で待ち合わせをしないのは、きっと照れているからだよね。
適当に商品を見てぶらぶらしていると、ぽんと後ろから肩を叩かれた。
「ごめんね。待った?」
振り返ると、そこには愛しの佐伯くんの姿が。
白い肌、くっきり二重、鼻だけちょっと大きすぎる気がするけど、その優しい笑顔が好きよ。
「ううん、全然」
ああ、なんて素敵なの。こんな漫画みたいな台詞を言える時がくるなんて。
佐伯くんに二人きりで食事をしたいと言われたのは、初めてのこと。
入社以来、部署の違う彼とは同期の飲み会でしか話したことがない。
けれど、私は彼にずっと憧れていた。
笑顔が素敵で、誰に対しても態度を変えないところが魅力。
飲み会でも、みんなと分け隔てなく仲良く話ができて、私も彼といれば、自分がとても明るくて話のうまい人間だと錯覚することができた。