恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


連休中も何度か顔を見に行った一成のお父さんは、少しずつ興奮することが減って、穏やかに入院生活を送れるようになってきている。

一成が言うには、やはりお母さんを亡くして寂しい気持ちが強く、不安になってしまうのではないかということだった。


「はい、いいですよ」


たしか、あの病院の家族以外の面会時間は午後八時まで。

会社を出てから行っても、六時には着く。面会の時間は十分ある。


「ありがとう。何か土産を買ってくるよ」

「美味しいものがいいです」

「了解」


きっと、自分が留守の間にお父さんに何かあったら、と不安に思うんだろう。

専務や副社長のことは嫌っているし、親戚と特に仲が良いってわけでもなさそう。

私が様子を見に行くことで安心できるなら、それでいい。

快諾すると、一成はホッとしたような顔で微笑んだ。



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