恋の罠にはまりました～俺様部長と社内恋愛!?～

結局そのあと、面会時間ぎりぎりになっても専務たちは部屋から出てこなかった。

帰るにしても挨拶だけはして行こうと部屋の前に行くと、ナースステーションからやってきた看護師さんとはちあった。


「申し訳ありません、もう面会時間は終わりですので」


そう言われて立ち止まると、看護師さんは部屋の中に入っていく。

同じことを言われた専務たちが、そろって渋い顔で出てきた。

すれ違う瞬間、じろりとにらまれた気がするけど、このまま知らん顔で帰ることはできない。


「あの、社長。また来ますね。おやすみなさい」

「ああ、すまなかったね」


部屋の入口から挨拶をすると、社長は寂しそうに手を振った。

その顔色が、来たときよりも少し悪くなっているような気がして、心配になる。

長い間起きて話をしたから、疲れたのかな。

それとも、何か悪い話を聞かされたのか……。

部屋の前で考え事をして立っていたら、看護師さんににらまれた。

いけないいけない。慌てて小走りでエレベーターホールへ向かう。

そこには既に、専務たちの姿はなかった。