恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


二日後の朝。

今日は一成が出張から帰ってきて、出社する日。

出張中も短いメールのやり取りはしていたけど、やっぱり直接会えることが嬉しい。

部屋のガラスをすりガラス仕様に戻し、その中でみんなのデスクを水ぶきする。


「……びっくりした。早いな」


いきなりドアが開く音にビックリして振り返ると、一成が立っていた。

時計を見ると、まだ始業一時間前。


「なんだか落ち着かなくて」

「そんなに早く俺に会いたかったか」

「な、何似合わないこと言ってるんですか」


一成って、クールに見えてたまに冗談なのか何なのかわからないこと言うよね。

私は“実はそうなんです、早くあなたに会いたかったんです”なんて言えるキャラでもない。たとえ、本心でそう思っていたとしても。

背を向けてふきんを片付けようとしたとき、急に動きを拘束された。

肩から腰から、一成の腕が伸びて私を捕まえている。


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