恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
始業時間になると、二日ぶりの朝礼が行われた。
私と桑名さんはすりガラスルームの壁に沿って立つ。
「二日間の留守の間、大きなトラブルはなかったようで、ほっとしています。こちらのほうも、交渉は無事に終わりました。半年後には、新店をオープンする予定です」
淡々と出張の成果を報告する一成。
いつものように無愛想のない彼とは逆に、他の社員たちは、一成が上げてきた成果に感嘆の声を漏らした。
お父さんのことも心配だろうに、仕事はちゃんとやってのけるんだもん。やっぱり日下部長はすごいや。
朝礼が終わってすりガラスルームに戻る。
早速鳴り始める電話を取っては応対し、取っては応対しを繰り返す。
そんな電話も少し途切れて、パソコン入力をしようとした瞬間、また電話が鳴った。
いつもの呼び出し音と違うと思ってディスプレイを見ると、そこには内線の番号が。
「はい、営業部白鳥です」
そう出るなり、相手は名乗りもせずにいきなり話しだす。