恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
それよりって……私がものすごい悪女みたいに書かれたことはどうでもいいってこと?
ムカムカする胸を押さえて、話の続きを聞く。
「株主が黙っていないだろうな。緊急株主総会を開いて、次期社長を早く決めておかなければならない」
「親父が死ぬと思ってるのか」
一成がつかみかからんばかりの勢いで身を乗り出すと、副社長は静かに首を横に振る。
「俺だって親父の子だよ。そうなってほしくないと思ってる。けど、長い間社長不在のままじゃ、株主も納得しないだろう。彼らが納得するリーダーに会社を任せる時がきた」
「勝手にしろ。俺は関係ない」
会社のことしか考えていない副社長とこれ以上話をしても無駄だと思ったのか、一成はそう吐き捨てる。
「それより、この雑誌を訴えて回収させることはできないのか」
「訴える? この手の雑誌はそういうことに慣れている。訴えられることだってしょっちゅうだろう。時間の無駄だ。それに一度許可を出してしまった以上、回収はあちらさんが自ら決定しない限り無理だろうな」