恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「……くそったれ!」
顔に似合わない言葉を吐き、一成はもう一度デスクに手のひらを叩きつけた。
「そう怒るなよ。彼女の身の振り方なら、もう考えてある。このまま営業部にいることはできないだろうからな」
そりゃあ、このまま営業部にいることは針のムシロだろうけど。って言うか、どこの部署に行っても居場所なんかできないんじゃないか。
じっと副社長を見つめると、彼はニッと小悪魔のような悪い顔で笑った。
「白鳥姫香。今日付で秘書課に異動を命じる」
「秘書課……?」
「俺の秘書になればいい。ここにひとつ机を置いてやる」
ここって……この副社長室に?
副社長の秘書たちは他にもいて、通常は隣の秘書室にいるはず。
その人たちを差し置いて、ここで副社長の隣にひっついて秘書をやれですって?
「そんなの、俺が認めない」
「認めなくたって、それしかないだろう。これは彼女を守るためだ。ここなら彼女を、辛いことから遠ざけることができる」
たしかに、ここなら滅多に誰かに会うこともないだろう。だけど、そんなのって。