恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「可愛いだろ? お前に似合うと思って」
副社長がデスクに肘をつき、そんなことを言う。
お前呼ばわりするな、鬱陶しい。
この足のところがくるんってなってる木の机が似合ってる? 私はシルバ○アファミリーじゃないっつうの。
「はあ、まあ……可愛いですね」
副社長相手に悪態をつくわけにもいかず、適当に同意しておく。
これが私の新しいデスクか……収納少ないな。
とりあえずその近くに行ってみるけど、脇に営業部から届いた段ボールが置かれているだけで、他には何もない。
「あのう……パソコンも電話もないんですか?」
秘書ってどんな仕事をするものなのか詳しくはわかっていないけど、何もないのに何をすれば……。
「ああ、暇つぶしにパソコンはほしいよな」
「暇つぶし……?」
「そう。お前に仕事はない。特に何もしなくていい」
「は?」
仕事はないって? どういうこと?
「お前はここでのんびりしていればいい」
副社長がさらにわけのわからないことを。
じっと見つめると、座っていた彼が、ゆっくりと立ち上がってこちらに近づいてくる。