恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
副社長の求婚は冗談だと思うことにして、翌日もとぼとぼと副社長室に出勤。
「あら~、良い御身分ね~。何もせずにお給料がもらえるなんて」
副社長の外出中に秘書課の人たちが来て、さんざん嫌味を言われた。
ごもっとも。反論のしようもない。
「何かできることはありませんか。何でもやります。下働きでも、掃除でもいいので」
頭を下げても、長い髪をアップにした彼女たちは心を開いてはくれない。
「いいのよ~、あなたに仕事をいいつけたりしたら、副社長に怒られちゃうから」
メガネの秘書が嫌味な笑顔でそう言うと、同い年くらいの若い女性社員が怒ったような顔で噛みついてくる。
「そう知っていて、何でもやりますって言うんでしょ? 本当はやる気なんてないのに」
「やだ~、そんなこと言ったら言いつけられるわよ」
そんな話をしながら、秘書課の人たちは部屋から出て行ってしまった。
そんなあ。本当に何でもいいから仕事がほしいのに……。