恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
思ったよりケロッとした表情で組んでいた手を腰に当てる知美。
バレてもこんなものなのか……もっと大激怒とか、ねちねち嫌味を言われるかと思ってた。
いや、こいつは美人で、男を選ぶ側だから心の余裕があるんだわ。きっと。
「もっと色々と話を聞きたいけど、これからお客様との約束があるから」
知美は腕時計を見て、ため息をつく。その瞬間、医務室のドアがノックされた。
「どうぞ」
先生が返事をすると、ドアが開き……。
「えっ!」
そこから現れたのは、すらりと伸びた手足に、小さな顔。そこにメガネをかけた人物。
一成がどうしてここに?
「あ、部長お疲れ様でーす」
知美は笑顔でそう言うと、すたすたと医務室から出て行こうとする。
「ちょっと、知美!?」
「さっきあんたの処置中に、呼んでおいたの。ここで会う分には問題ないでしょ?」
わああ……何日かぶりに一成の顔を見られた。
あの記事が出てから、外で会うことはおろか、社内でなんて絶対会えなかったもの。