恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「来い!」
体の前で縛られた手を荒々しく引っ張られ、無理やりに体を起こされた。
見ると、足首から血が出ている。どうやら、足を縛っていたロープをカッターで切ったときにできた傷のようだ。
引きずられるようにして、部屋から出された私は、ハッとする。
暖炉のある広いリビングのソファに、専務が座っていたからだ。
専務もグルだったんだ。何て卑怯な親子。
「おい、そいつをどうする気だ」
専務が焦ったような顔で立ちあがる。
「僕の言うことをきかないから、お仕置きしてやるんだよ」
そう答えた骸骨野郎は、ずんずんと玄関まで歩き、勢いよくドアを開けた。
「殺したら処理が大変だ。殺すなよ」
そんな専務の声にぞっとした。
最初から、殺すつもりなんてなかったんだ。
そうやって脅しておけば、私が言うことを聞くと思って……。
専務を振り返る間もなく外に連れだされ、小石が裸足の足の裏を刺した。