恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「ごほっ、ごほっ……!」
無我夢中で体を起こすが、呼吸が苦しくてそれ以上動けない。
涙がにじむ目で見えたのは、薄く笑う骸骨野郎の顔だった。
「ここで反省しろ!」
ちょっと待って。
そう言おうとして息を吸った瞬間、また咳き込んだ。
扉が無情にも閉められていく。重く大きな音が、地獄の鐘のように鳴り響いた。
暗い。何も見えない。
ちょっとでも動こうものなら灰が舞い上がり、余計に呼吸を脅かせる。
恐怖が背中を駆け上がった。
咳き込むうち、息苦しくなって頭がくらくらしてくる。
このまま意識が遠のいたら、私は……。
やだよ、一成。苦しいよ。
一成。
お願い、助けて──!