恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「うまい店を知ってるんだ。案内するよ」
にこりと微笑みかける彼に、私も笑顔でうなずいた。
今日はいつものパンツじゃなくて、花柄スカートを履いてきた。
パンプスも新しく傷もついていないもので、前髪も切りそろえた。
大丈夫。絶対いける……!
そうして彼についていき、たどり着いた先で私はあんぐりと口を開けた。
そこは、決してオシャレとは言えない、ラーメン屋さんだった。
しかも、行列ができるほど人気もなさそう……。
「せっかく綺麗な服なのに、油でベタベタになっちゃうかな」
佐伯くんが苦笑する。
「あっ、えっ、ううん! ラーメン大好きだから! ええ、ほんとに」
「そうなんだ。俺も大好きだよ」
きゅうーん。
『大好き』だなんて、そんな純白の笑顔で言うなんて反則。
ああ、ラーメンになりたい。
かろうじて座敷があるその店は、家族連れもいた。