恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
あんなことがあったのが土曜で、本当に良かった。
翌日の日曜は家に帰ってから、泥のように眠った。
疲れきっていたせいか、ここ数年で経験したことのないくらい深く眠って、気づいたのは月曜の朝。
意外にすっきりした頭で、いつも通りの地味な化粧と、グレーのカーディガンに白いシャツ、ベージュのパンツという地味すぎる服装で家を出た。
どうせ、一日会社で誰にも注目されない。そんな毎日に戻るんだ。
……と、思っていたのに。
「ひーめかっ」
昼の休憩時間になるなり、勝手に人事部のドアを開けて入ってきた不届き者が一人。
今日も超絶美しくて憎い、知美だ。
「ま、松浦さん!」
「こんなところに何か用が?」
少し年上の男性社員たちが、ドアのところに群がる。
知美は彼らににこりと完璧な笑みだけで答えると、こっちに話しかける。
「姫香ぁ、ランチ行こー」
うざ……。
男性社員たちが、どうして知美が私みたいな女をランチに誘うのか理解ができないという顔でこっちと知美を交互に見ている。
私は関わりたくないんですよ。代わってあげられるものなら、あなたたちに代わってさしあげたいわ。