恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


その夜。


「って言うか、今日までの仕事なら、朝に言えよな~!」


私はまた一人で残業しながら、山のような履歴書とエントリーシートをチェックしていた。

『とにかく、破滅的ブサイクを省いて、落選通知出しといて』と、人事部長に言われたのは午後三時。嫌がらせとしか思えない。

しかも、セクハラとしか思えない発言をするし。

たしかに、エントリーシートがあまりにもお粗末なものは、申し訳ないけれど面接に進む前にさようならすることになる。

けど、ブサイクを省いて、なんてひどい。顔がアレだって、とっても有能な人だっているかもしれないのに。

話もしないで、ブサイクだからって理由で落とすなんて……。

と、ぶつぶつ言いながら選考書類をチェックする。

けど、私の目線じゃ、どの学生も破滅的ブサイクとは言い難い。

そもそも、顔は個性なのよ。この世界に、美人もブサイクもないのよ!


「うう~」


どうしよう。顔で決めたくなんかない。でも全員面接に回したら、また嫌味を言われるんだろうか。


< 59 / 286 >

この作品をシェア

pagetop