恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


翌日の昼、休憩時間になると同時に、営業部へと足を運んだ。


「あらー、姫香じゃない。どうしたの?」


ランチへ行こうとしていた知美が、ドアの近くで立っていた私を見つけた。

知美は長い髪をハーフアップにしていて、もともと長いまつ毛にマスカラをたっぷり塗っている。

けれど化粧らしい化粧は、それと口紅だけ。

あとは元々のくっきりした目鼻立ちと、白雪姫みたいな白い肌とピンク色の頬のおかげで、小細工せずに済んでいるみたい。

ハイライトもチークも、彼女には必要ないのだ。


「これ」


私は昨日佐伯くんに頼まれたブツを、知美に突き付けた。


「なにこれ」

「いつもの貢物。中に手紙が入っているらしいから、返事してあげて」

「えー」


知美は面倒くさそうに紙袋を受け取ると、ちらっと中身を覗き込む。


「うーん、わかった。ありがとう。いつも面倒かけてごめんね。あ、ランチ今からなら一緒にどう?」


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