恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「これは、ニキビができるくらいの若い肌を健やかに保つためのものだ。お前はもう、肌の曲がり角を越えている。もっと保湿をした方がいい」
な、なんだと。ならば、ちゃんと『十代のぴちぴちのお肌に!』って書いておけい。
「お前の売りは、その白くてきめ細やかな肌だ」
「は……」
「しかし、触れた時わかった。一見綺麗だが、表皮が薄くなっている。つまり、乾燥しているのだと」
いつの間にか目の前にいた部長が、そっと私の頬に触れた。
乾燥に気づいたのって、もしかしてあの夜……。
思い出して、部長の指が触れた箇所から、全身に一気に熱が広がっていく。
「洗顔は何でしてる?」
「へ……」
「洗顔」
何を考えているのか、日下部長の表情からは見えない。
私は質問の意味を飲み込むと、慌てて答えた。
「オイルです」
「また、若者向けのものを……」
うるさい。だって、オイルはするする落ちて便利じゃん。