恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「これは、私に託された重要な仕事。そう思えばいいわけですね。というか、そう思わなきゃならない」
受け取ったずしりと重い紙袋は、私に負わされる責任の重さを現しているみたい。
「ああ。俺はそれを全力でサポートする」
大きな手が、頭の上でバウンドした。
見上げると、メガネの向こうの目がかすかに笑っていた。
「絶対に成功させるぞ、ちょんまげ」
「ちょ……それも忘れてください!」
乱れた前髪を直しながら後ずさると、日下部長は口元をほころばせる。
ああ、この人、笑うととっても可愛く見えるんだ──。
そんなことに気づいただけで、胸が熱くなった。
そうか、これは仕事なんだ。日下部長が、私に任せようと思ってくれた、大きな仕事。なら逃げずに、やりきらなくちゃ。
ねえ、日下部長。
この仕事が成功したら、もっと素敵な笑顔を見せてくれますか?