冷たいキミの溺愛
「ねぇ、こうちゃん?私もこうちゃんの班でシチューつくっていい?」
さっそく先生たちにバレないように自分の班を抜け出してこうちゃんに近づいたのはいいけれど、
「却下。」
何でですのん?ちょっとー!!可愛いハニーが一緒の方がこうちゃんだって嬉しいくせにぃい!!
「なんで即答なの〜?!だ、だって、こうちゃんの周り…女の先輩いっぱいでハラハラしてシチュー作りに集中出来ないんだもん!」
そう言ってる今も、こうちゃんの周りには女の先輩がチラホラ。
分かってるよ、同じ班だからシチュー作るためには協力しなくちゃいけないってことくらい!
で、でもさ…私の知らない人がこうちゃんの名前読んでたりすると、
「へぇ〜何お前、嫉妬してんだ?」
「だ、違!いや…違わないけど!だってみんなして『逢坂くん』『逢坂くん』て!」
ニヤッと口角を上げて、ジャガイモを切る手を止めて振り向いたこうちゃんに、心臓はヒートアップ。
「アホみたいに好きだよな、俺のこと。」
あぁ!もう!好きだよ!
これだからこうちゃんは分かってない!!勝ち誇ったように笑いやがって!
そんな顔で私以外の女の子たちに笑ってないかちゃんと監視してなきゃ。