冷たいキミの溺愛


「先輩、こいつ連れて帰っていいっすか?」

私と楓を交互に見たこうちゃんは、いつになく冷気をまとっていて、

近くにいる私はなんだか少し冷んやりするような……


あ!さてはこうちゃんったら…ヤ・キ・モ・チ!?

いや〜〜ん!!!照れるぅう!!


「俺の許可必要?勝手に連れてけば。」


…ですよね〜〜〜〜!!!そうですよね〜〜!淡い期待なんてしたばっかりに、現実に戻った時の奈落の底感がハンパねぇ。マジ、ハンパねぇ、yo!


「そこは冗談でも、ダメって言ってよ!こうちゃんのバカ!アホ!」


さっきから、周りの視線が痛い。
やっぱ、私って邪魔だよね。

遠足に来てまでこうちゃんにつきまとって、挙句 自分の班を放置して……


「…じゃ、お言葉に甘えて。」


そんな事を考えていた私に、楓の声が聞こえて


それと同時に楓が私の手首を離す。


「瑠璃、行くぞ。」

と、そのまま手を繋ぐ形で私を引っ張って歩き出した。

仕方ない。このまま連行されよう。


「うん……あの、こうちゃん、ごめんね?また後で!」


後ろ髪を引かれる思いとはこのことか。こうちゃん、離れたくないよぉおおお!!!

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