冷たいキミの溺愛
とは思いながらも、どんどん楓に引っ張られて進む足。
離れるこうちゃんとの距離…
グイッ
「わっ!!」
離れる…距離???
楓に掴まれている手とは反対の手首に、何らかの力が加わって、体が思いっきり後ろに倒れる。
「痛………たくは、ない?」
てっきり、もう痛みが襲ってくるとばかり思ってたのに、どうやら痛くはないので転んだわけじゃなさそ…
って、うぇぇええぇええい?!!
「こここここうちゃん?!」
だ、抱きしめられてる!!後ろからこうちゃんの体温を感じる!!無理、息できない、死ねる、今なら死ねる!
「連れてってもいいとは言った、けど。誰が手繋いでけっつった?」
低く吐き捨てられた言葉の先は、私……じゃない、楓だ。
「へぇ〜、ただの幼なじみって聞いてますけど。過保護ですね、先輩。」
しばらく睨み合うように視線を交わす2人に、なぜかこうちゃんに抱きしめられているはずなのに、寒気が走って身震いする。
な、な、なんだ、これは!!事件だ!!なんか、2人とも…目が本気だ。
本気と書いてマジと読むやつー!((黙