冷たいキミの溺愛
「こうちゃん…お腹すいた。」
結局、葵は本気でシチューをくれなかった。ケチ。どケチ。薄情者。
「知るか。」
葵にシチューを貰えなくなった理由を話しても、こうちゃんは相変わらず冷たくて、あわよくばこうちゃんの班のシチュー貰おうなんて考えてた私の胃袋はノックダウン。
グゥ〜〜
お腹、鳴ってるし。こうちゃんのシチュー美味しそう。隣で自分の班のシチューを頬張るこうちゃんを恨めしく見つめる。
「…食いたい?」
「食べたい。とっても。こうちゃんの班のシチューちょうだいよ〜〜。」
3歳児のように駄々をこねる私に、1つため息を零したこうちゃんは、
「ほら、口開けろ。」
「へ?」
自分の皿からシチューをスプーンですくい、私の口の前へと運んだ。