冷たいキミの溺愛
「何すんのよ…って、げっ!楓!」
「げっ、とは失礼だな」
振り返ったその先にいたのは、やっぱりノートを持った楓の姿。
「なによ!頭叩いたらバカになっちゃうでしょ ⁉︎」
「お前元々バカだろ」
「確かにそこの否定はしないけど!!」
「しないんかい」
いつもみたいな感じで言い合いをする私達。けど、キリがないと思ったのか楓はコホンと一つ咳払いをして話を区切った。
「お前の勉強、俺が見てやろうか?」
なにを言い出すかと思えば、それは喉から手が出るほど…いや、足まで出ちゃうほどのありがた〜いお誘い。
「本当 ⁉︎」
まさかのラッキーな展開に、私の1週間後に希望が見えてきた。
「あ!でもちょっと待って!こうちゃんに出禁ペナルティーあるか聞いてみる!もしかしたらもしかしてのチャンスがあるかもしれないし!!」
「……お前も諦めが悪いな。わかった、じゃあこの話は明日まで保留ってことで」
「ありがと楓!」
もうオール赤点の心配はない!
ウキウキ気分で私は夕方、ペナルティーの有無を聞きにこうちゃんの部屋に向かった。