冷たいキミの溺愛
「ちなみに1ヶ月を1日に変えたりは…「しない」
「出禁の代わりに一緒に登下校…「無理」
「逆にこうちゃんが私の部屋に…「もっと無理」
………だめだ。
相沢瑠璃、もうなす手立てがございません。
「仕方ない。やっぱ楓に頼むかー…」
「……」
観念してこうちゃんの部屋を出ようと踵を返して歩き出した、まさにその時。
ーーーーーパシッ
「うぉっと ⁉︎」
後ろから急に腕を掴まれて、私の足は完全に急停止した。
「え、こ、こうちゃんっ ⁉︎」
いつの間にか椅子から立ち上がっているこうちゃんは、冷気を放っているかのようなオーラで私を見下ろす。
「何お前、アイツに勉強教えて貰うわけ?」
この私がうっとりすることも出来ないくらいの鋭すぎる視線に、小さくコクリと頷くことしかできなかった。