冷たいキミの溺愛
え、なに?
遠足の時も思ったけど、もしかしてこうちゃんと楓ってそんなに仲悪いの?
2人の接点すら思いつかない私は、こうちゃんの鋭すぎる視線に怯みながらも必死に接点を探し出す。…が、虚しくも思い当たる節が何もなかった。
「瑠璃」
「ハ、ハイ…!」
突然こうちゃんに名前を呼ばれて思わずピシッと伸ばしてしまった背筋。
怒ってる顔も素敵だよこうちゃん!!イケメンってどんな顔しても映えるのねっ!
…なーんてことは口に出して言える状況でもなく、私は大人し〜くこうちゃんの次の言葉を待った。
「今からお前に選択肢を与えてやる」
「ななななんとっ!選択肢ですかい旦那!」
「…真面目に聞く気あんの?」
「ゴメンナサイ。チャントキキマス」
こうちゃんのひと睨みを買い、今度こそ!と意気込む。
「選択肢は2つだ。俺に勉強教わって1カ月出禁になるか、それともアイツに教わって同じく1カ月出禁になるか。さぁ、瑠璃。どっちがいい?」
ニヤリと意地悪く笑ってその2択を出すこうちゃんは、私がどっちを選ぶかわかっているかのようで。
「そんなのっ、こうちゃんに教わる方がいいに決まってるじゃん!!!」
案の定、私はまんまと引っかかって前者を選んでしまった。