冷たいキミの溺愛

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「あんた単純すぎ…」

「テヘッ」

翌日、その事を葵に報告すると当然の如く呆れられた。


「でもやってくれるね、あんたの幼馴染み。これってもう確定じゃん」

そう言って葵はニヤニヤと笑う。けど、私にはその笑みの理由がわからなかった。



「…ってことで、ごめん楓！私はこうちゃんの陣地に行きますっ！！」

さっきから私の話を隣で聞いていた楓に保留無しの報告をする。


「……」

「ん？楓？聞いてる？」


楓はまさかの無反応。…と、思いきや。


「だーーーもう！！」

「……ッ！？」

いきなり叫びだした。


「はぁ〜、やっぱ勝てねー。わかったよ、今回はアイツに教えて貰え」

「？う、うん。ありがとう…？」


よく分からなかったけど、とりあえず私はこうちゃんに勉強を教えて貰うことになりました。





「そういえば辻本君、遠足の時あの幼馴染みになんて言われたの？」

「え？あぁー…。『瑠璃が好きなのは俺だからお前は諦めろ』って」

「クスッ、それで今回も勝てなかったわけね」

「うるせ。次は絶対勝ってやる」


葵と楓のそんな会話は、私の耳に届くことはなかった。