冷たいキミの溺愛
葵メイ

*押してダメなら引いてみろ!*




定期テストのときの訂正ノートも終わって、またいつのも日常が戻ってきた。


といっても、私のこうちゃんへの愛は常に上昇してるけどねっ!!


「ねえ葵。こうちゃんね、もうさすがに私に振り向いてくれてもいいと思うんだよねえ」


お昼休み。お弁当の卵焼きをもぐもぐさせながら、私は葵に向けてそう言った。


「あんたってほんと口を開けばこうちゃんこうちゃん。それと何か食べながら喋るのきたないからやめなさい」


コンビニで買ってきたのであろうサンドウィッチの包装を開けながら葵はいつもの口調でそう言ってきた。


べ、べつに何か食べながら喋るにしても、さすがの私でも限度があるくらいわかるし!!


今の私はセーフだと思うんだけど!!


「だって、もうこうちゃんに恋して6年だよ?6年って長いよ?小4のときからずっとだよ?」


「…いや、それほど長い片想いができるってある意味こわいわ」


ハムキャベツサンドウィッチを一口食べてコクンと飲み込んだあと、葵はそう吐き捨てた。


「こわくなんかないもん!純粋な想いだもーん!」

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