冷たいキミの溺愛


「それにしてもさ、ちょっとグイグイいきすぎなんじゃないの?」


「えっ?どゆこと!?グイグイいかないと気持ち伝わんないじゃん!!」


「…もう十二分に瑠璃の気持ちは“こうちゃん”に伝わってると思うけど。私が言いたいのは押すだけじゃダメってことよ」


そう言ってペットボトルのお茶をトプトプと飲む葵。


なんか大人に見えるっ!!


「押すだけじゃダメ…、じゃあ引っ張るってこと!?」


「それはもっとこわいわ。“引っ張る”じゃなくて“引く”よ」


「引く!?こうちゃん引いちゃうの!?え、やだ!!」


「…瑠璃、あんたほんとバカすぎるわ。そんなんだからこうちゃんにも振り向いてもらえないのよ」


葵がなんかめっちゃ毒吐いてくるんだけど!!ポジティブな私でも、いくらなんでもちょっぴり傷付くんだけどおおおお。


「“押してダメなら引いてみろ”って言うでしょ。グイグイじゃなくて、わざとちょっとそっけない態度とってあっちに気を持たせるのよ」


まるでひとりごとのように言う葵。

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