冷たいキミの溺愛
「ここで……いいか。あのさ、瑠璃。俺、本当はお前のこと」
瑠璃とやたらと仲のいい、俺の敵意むき出しの後輩が、そう言った直後、俺は走り出していた。
「…っ、待てよ」
「…こ、こうちゃん!?」
なんで、こんなことしてんだろ。
なんで俺、こんなに必死なんだろ。
「なんすか、先輩。俺、今大事な話してるんですけど」
「…今何言おうとした?コイツに」
なんでこんなに焦って、瑠璃の肩抱いてんだろ。
「こ、ここここうちゃん!ち、近いよ!ドキドキしちゃう!」
瑠璃は顔を真っ赤にしてそう言った。
ドキドキしてんのは、お前だけじゃねぇんだって。