冷たいキミの溺愛



「ここで……いいか。あのさ、瑠璃。俺、本当はお前のこと」



瑠璃とやたらと仲のいい、俺の敵意むき出しの後輩が、そう言った直後、俺は走り出していた。



「…っ、待てよ」



「…こ、こうちゃん!?」



なんで、こんなことしてんだろ。
なんで俺、こんなに必死なんだろ。



「なんすか、先輩。俺、今大事な話してるんですけど」



「…今何言おうとした?コイツに」



なんでこんなに焦って、瑠璃の肩抱いてんだろ。



「こ、ここここうちゃん!ち、近いよ!ドキドキしちゃう!」



瑠璃は顔を真っ赤にしてそう言った。



ドキドキしてんのは、お前だけじゃねぇんだって。

< 47 / 77 >

この作品をシェア

pagetop