冷たいキミの溺愛


そんなとき。


「なに叫んでんの?アホ」


後ろから声がして。

パッと振り返ると、いかにも変人を見るかのような目で私を見てくる楓の姿。


「か、かかかかかっ、かかっ。楓!!!」

「いや、どんだけ噛むんだよ」


う、どうしよう。

昨日の今日で気まずいよ。


「今日いい天気だよなー。な、瑠璃」


そう言って、いつも通りに二カッと私に微笑みかける楓。


...あ、そうか。

昨日は全部夢だったとして、そうしたら楓が私に好きって言ったのも全部夢だったってことか。


なあんだ。よかった。


「.............」


って!
よくないよ!バカ!夢のバカ!神様のバカ!

私のこうちゃんを返して!!!(必死)

< 57 / 77 >

この作品をシェア

pagetop