冷たいキミの溺愛
「っていうか聞いてよ辻本君。
この子朝から妄想激しすぎるんだけど助けて」
冷静かつため息混じりにそんなことを呟く葵。
くっそう。
殺意湧くぜ、親友よ!!!
「だから妄想じゃないってばあー!!」
「こいつが妄想パラダイスなのは仕方ないんじゃね?」
「パ、パラ...ッ?!
扱い酷くないですかキミ達!!!」
ほぼ泣きそうだよ。もう。
2人をキッと睨みつけて、自分の席に戻ろうとくるり足を動かしたそのとき。
「...、っ、わっ?」
急に誰かに腕を引っ張られて。
そしてその手が誰の手かだなんてすぐに分かった私は、相当やばいと思う。