冷たいキミの溺愛
「こいつの彼氏は、ずっと俺だから」
そしてその瞬間、グイッと肩を引き寄せられて。
どうしようもないくらいかっこいいこうちゃんの腕は、少し強引に私の肩に手を回した。
「ちょ、ちょちょちょちょちょ
こうちゃんんん?!みんな見てるよっ?!
いや、そんなことより私ったら鼻血がっ.....」
なんだか今日のこうちゃん...ちょっとだけ甘くないですか?!
「今日はそれを言いに来ただけ。以上」
そうサラッと言うと、こうちゃんは私の頭をポンポンと撫でて。
そのまま教室へと帰っていってしまった。
シーンとなる教室。
隣で呆れたようにハァ、とため息をつく楓。
目を見開いたまま動かない葵。
「ちょー!!!なに今のかっこいいいー!」
「瑠璃たちやっと付き合ったの!!」
「もう早くくっつけくっつけ思ってたわ俺」
「あたしも(笑)」
湧き上がる歓声。
そしてワー!となぜか拍手が送られて。
「ちょっと!マジだったの?!本当に?!
うそ!!ごめん瑠璃!!やばいそれ!おめでとうじゃん!!!」
興奮しながら想像以上に祝福してくれる葵に、
「やっぱアイツには勝てねーかあ...」
意味深な言葉を漏らす楓。
そしてそして、そんな中。
私はと言うと...
「ちょ、瑠璃!!あんた鼻血っ.....」
さっきのこうちゃんがイケメンすぎて、完全に私は萌え尽きてしまったのだ。
タラ〜と生暖かいモノが鼻から流れ出てきて。
「この状況で笑ってんじゃないわよ気持ち悪い!ほら、ティッシュ」
「だってえ〜幸せだなぁって」
「それはよかった。ほら、だから早く拭いて。
...ちょっと?!止まらないんだけど!?
思い出さないでくれる?!」
その後、授業中でも私のニヤけ顔は収まらなくて。
っていうか収まるはずがなくて。
葵に手渡されたのは大きめのマスク。
怪しいから付けとけ、だって。
さすが親友だよね!!