冷たいキミの溺愛



そして、放課後。


「では私は愛する人の元へと行ってきますね!!!葵さん、あばよ!」


終礼が終わると同時に、私はビュンッとこうちゃんの教室めがけて走り込んだ。


なんだろう。

毎日毎日会ってるのに、なんだか今ものすごくこうちゃんに会いたいよ。



ーーー


「あ、落ち込んでる」

「ったりめーだろー。
割と本気だったんだぜ、俺。
.....あーーーっ本気だったのになー!!」

「はは。そんな気はしてた。これからどう?
辻本励まし会かなんかする?私奢るし。」

「.........する。」


そして2人のそんな会話は私の耳に届くことはなく。





「こうちゃん!迎えに来た!」


教室に近づくと、今まさに帰ろうとしていたであろうこうちゃんとばったり会って。


「あ、まじ?
今からお前んとこ行こうとしてたのに」


ねえええええええええ!!?

本当に今日のこうちゃんおかしくないですか?!
私のハート窃盗罪で逮捕するよ!??


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