冷たいキミの溺愛

「ほら。早く起きて朝ごはん食べなきゃ遅刻しちゃうよ!」


そう言って私はこうちゃんの両腕を引っ張り、ズルズルとベッドから引きずり出す。


「...わっ!」


だけど、いとも簡単に振り払われた私は、気づけばこうちゃんの大きく広い胸の中にいて。


「こう...ちゃん?」

「...瑠璃」

「え?」

「1回しか言わねーからさ、よく聞いとけ」

「え??」


そう言ってこうちゃんは私を力強く抱きしめたまま────



「...好きだよ」



ポツリそう、囁いて。


ああ。もう。ダメだよこうちゃん。

そんなこと言われたらさ.......



「も、もう1回!!もう1回お願いします!!
是非とも録音を...!!!」


「...言うと思った」







end. *+ *゜…




< 71 / 77 >

この作品をシェア

pagetop