真実はメイドだけが知っている。
「今日でちょうどまゆがいなくなって1ヶ月です」

「ふむ。警察には?」

「捜索願を出しました。けど、家出人扱いになっていて本格的な捜索はしてもらえてません」

「だから、ここにきたわけだ」

「はい」

僕は、力強く頷いた。
僕が絶対にまゆを見つけ出す、と決意をこめて。

「じゃあ、行こうか」

そう言って、白衣を翻しながら立ち上がる榠土さん。

「へ?どこに?」

僕は、呆けた顔をしてそんな榠土さんを見上げた。

「君の家だよ」

榠土さんは、当然だよという顔をして言った。
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