冷たいキミの溺愛。
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「…で?辻本くんも置いてきちゃったわけ?」
「はい。」
「迎えに来てもらったくせに、置いてきたの?」
「返す言葉もございません。」
そう、あの後どうしてもその場の空気に居た堪れなくなった私はこうちゃんの腕からスルリと身を翻し、私を迎えに来てくれた楓を取り残して猛ダッシュ。
自分の班でシチュー作り中だった葵に背後から抱きつき肘鉄を食らいました。
「…にしても、何その美味しい展開。」
「お、美味しい展開??」
もはや私の声聞こえてるか謎な葵は、シチューを煮込みながら小皿に少しよそうとフーフー冷まして自分だけ味見してるし!!
私もたーべーたーいーー!!
「…あ、ちなみに瑠璃は協力しなかったからシチューなしね。」
「うん。…え?…は?…何だって?シチューなし?やだやだ!お腹すいたよ〜!!」
悪魔だ!悪魔すぎる!!
女版悪魔って呼んでやる!!(男版はもちろんこうちゃんね。)
「大好きなこうちゃんの班にでも貰いなさい。」
「ね?本気で言ってる?本気と書いてマジって読む?」
「うるさい。あ、後片付けは手伝ってね。」
うっっっそ〜〜〜〜ん!!
おかしいよ!確かにサボってこうちゃんに会いに行ってたけど、シチューは抜きなのに後片付けは参加って!!
親友だよね?ね?何、だからこその遠慮ない感じ?んもぉ、好きだよ、そんなとこも好きだよ葵!(重症)