冷たいキミの溺愛。


そんな私を冷めた目で見ながら葵はつぶやくように言う。


「まあどうせすぐ飽きるでしょ」


えー…。

でも私こうちゃんに恋して6年だよ?


そんな簡単に諦めない!!

押して押して押して、いつかはこうちゃんの彼女になるんだから!



うんん、彼女じゃなくてもいい、そばにいれるだけで!!



「そう、そばであのこうちゃんの筋肉を眺めてるだけでもいいの!!!」


「…誰が筋肉だよ」


「…え」



大好きな人の声がして後ろを向くと不機嫌オーラ丸出しのこうちゃん。

え、嘘。


今の聞かれてた!!?



「こ、こうちゃん!!違うよっ!!


私決してこうちゃんの筋肉が好きなわけじゃないから!!

いや、こうちゃんの筋肉好きだけど筋肉だけじゃなくて、こうちゃん自身が好きだから!!」



「つまりお前は俺の筋肉が目当て、と。」


「そういうこと!!

…て、違う!!!!」



思わず頷いちゃったじゃん!!!

確かに筋肉はすきだよ?


でも、こうちゃん自身(言い方おかしいけど)が1番。



「生身最高!!!」


「キモ」


「なっ!!」


なんか、葵とこうちゃん似てるよね?!

なんか…毒づくところとか!



ていうか生身が好きでキモいってことは…。



「…こうちゃん、人形がすきなの…?」


恐る恐る尋ねる。
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