嫌い、のち好き、のち愛
難攻不落の女
一日の始まりは物凄く憂鬱だ。
俺、村上大智は社会人六年目の28歳だ。
ここの仕事は嫌いではないけど、朝は苦手だ。
眠いし、怠いし、しんどいし、マジ三重苦。
欠伸をしながら、更衣室に入ると後輩の一ノ瀬大翔が携帯を見てニヤついている。
俺の二つ下の大翔は、この会社の社長の息子だ。
将来はここの社長になるのかもしれないが、本人は現場で働いてる方が好きらしく夜勤もやっている。
経営はお姉さんの旦那さんに任せてもいいと本気で思ってるらしい。
陸上やってたバリバリの体育会系だから、身体動かしてる方がいいんだろう。
なんて野心のない奴なんだと思うけど、そんなんだから色んな人にかわいがられてる。
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