嫌い、のち好き、のち愛
「あ、別に村上さんの噂のことその時は信じてなかったんですよ。ただ、作ってるような表情が気持ち悪かったというか、苦手だったんですよ。村上さんのこと」
苦手……。なんか聞けば聞くほどへこんでくるんだけど。
「なのに、村上さんがあんなこと言うから……やっぱり噂はほんとだったんだと思ってあんな暴言を」
それを聞いて俺は苦笑いするしかない。
「いや、確かに俺も間違った……って思ったよ。訂正しようと思ったんだけど暴言吐いて逃げちゃうし」
「その後はほんとに毛嫌いしてましたけど。村上さんはよく絡んできましたね」
俺に触られたところを手で払っていた真咲ちゃんを思い出してもうほんとに苦い思いしか出てこない。