嫌い、のち好き、のち愛
「そうやってかっこつけて他の女の人口説いてたんでしょ。そんな顔見たくないです。私はかっこ悪い村上さんを好きになったんです。私の前で、そんな顔しないで」
え、かっこ悪い俺を好きって言った?
何、それ……喜んでいいの? それとも、頑張った方がいいの?
「……ごめんなさい。村上さんが睡眠障害で仕方なくそういうことしてたのはわかってるんですけど。なんかやっぱりちょっと、嫌だなって」
クッションに顔を隠したままそう言う真咲ちゃんを、覆いかぶさるように抱きしめる。
「ごめん。過去は変えらんないけど……これからは真咲ちゃんだけだから。こんなに好きになったの真咲ちゃんが初めて」
そう言うと真咲ちゃんがピクリと反応する。