嫌い、のち好き、のち愛

「好きすぎて、真咲ちゃんがいないともう生きていけない」


もうこれは色んな意味で、真咲ちゃんがいないと無理。


「私も、村上さんがいないとダメです」


真咲ちゃんの言葉に今度は俺がピクリとする。


「村上さんが隣にいないと、眠れなくなっちゃいました」


え、そうなの?


それはまた予想外。真咲ちゃんはすごく寝付きがよくて、いつも目を瞑ったら五分以内には寝ちゃうから。


「村上さんが夜勤でいないと寂しくてなかなか寝付けなくて……自分でもびっくりです」


真咲ちゃんがそんなことになってるとは思わなかった。


「だから寝てると俺に抱きついてきてたの?」


「それは無意識です。無意識に、村上さんのことを求めていたのかと」


求めてって、それすごく嬉しいんだけど。


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