嫌い、のち好き、のち愛

意味、分かって言ってんのかな?分かってないだろうな。


「真咲ちゃん、こっち向いてよ」


「え、やだ」


いつまでもクッションに抱きついてる真咲ちゃんにそう言うけど即答で断られる。


「ねえ、真咲ちゃん。俺、クッションに嫉妬しちゃう」


そう言えば真咲ちゃんはクッションを離して俺のことを見てくれる。


顔真っ赤で、ちょっと目が潤んでる真咲ちゃんがかわいい。


「かわいい……。キスしていい?」


一応は聞いたけどする気満々で顔を近づける俺の顔を、真咲ちゃんが手のひらで押す。


ほんと、傷つく……。


「……ほんとに私だけですか?」


不安そうな顔でそう言われて、愛しさが募った。


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