嫌い、のち好き、のち愛

「真咲ちゃんだけだよ。真咲ちゃんみたいな子、他にいない。好きだよ、大好き」


安心させたくてそう言うけど、真咲ちゃんはまだちょっとふてくされた顔してる。


「あの、真咲ちゃん?俺もちょっと聞きたいんだけど。真咲ちゃん、俺のかっこ悪いところが好きって言ってたけど……かっこいいと思うとこないの?」


正直、かっこ悪いとか言われたことないからちょっとショックでそう聞くけど。


「ないです」


うわ、すげぇグサッときた。


本気で落ち込む俺に、真咲ちゃんが笑う気配がする。


「嘘です。たくさんあります。寝てる顔とか、運転してるとことか、意外と仕事には真面目なところもかっこいいと思います。あと、ちゃんと笑ってる顔も好きです」


なんか顔ばっかり……。