嫌い、のち好き、のち愛
で、一緒にお風呂に入ってるんだけど。
真咲ちゃんは全然こっちを向いてくれない。
俺に背中を向けて湯船の端っこにいる。
そんな大きい湯船じゃないからさっきから足は触れあってるけど。
それに洗い髪をアップにしてるからさっきからうなじが綺麗でウズウズしてるんだけど。
「真咲ちゃん、まだ怒ってんの?」
「……」
「ちゃんと譲歩してあげたじゃん。身体洗い終わるの待ってたし」
真咲ちゃんがそれならっていうから大人しく待っててあげたのに。
全然こっちを見ない真咲ちゃんにしびれを切らして、俺は腰を引き寄せる。
「わわっ」
そう言って真咲ちゃんは逃げようとするけど、もちろん逃がさない。
そのまま顎を持ち上げてキスをした。