嫌い、のち好き、のち愛

「真咲、名前で呼んで、俺の名前、呼んで」


「……ぁ、だい、ちさん。大智さん」


名前で呼ばれて、微笑む俺の頬に真咲ちゃんが手を伸ばしてくる。


「大智さんが、いないと、やです」


俺もだよ。もう真咲ちゃんがいないと、生きていけない。


「大智さんは、私の……」


真咲ちゃんはニッコリと微笑んだ。


「私の大切な人です。私に必要な人です。もう離せないのは、私の方です。だから……ずっと、そばにいます」


「……ここでそんなこと言うの反則。泣きそうになるじゃん」


そう言ってきつく真咲ちゃんを抱きしめると、俺の耳元で真咲ちゃんがふふっと笑う。


「大智さんの泣き顔、好きなんで」


「……ふーん。真咲ちゃん、随分余裕あるね」


そう言ってキョトンとした顔の真咲ちゃんの唇を撫でる。


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