嫌い、のち好き、のち愛
これ以上の人はいない。そう思ったら大翔の気持ちがよく理解できた。
「真咲」
キスの合間に名前を呼ぶと真咲ちゃんは真っ直ぐに俺を見る。
この真っ直ぐな瞳、好きだな。
俺しか映ってない瞳をじっと覗きこむ。
「俺と結婚して?」
「……っ!」
驚いて息を呑む真咲ちゃんに笑いかけた。
「ほんとに真咲なしの生活は考えられないから、結婚してほしいんだけど」
「え、なっ、普通ベッドで……しかもこのままプロポーズします?」
バタバタしてる真咲ちゃんの顔を覗きこむ。
「ダメ?」
「ずるいっ!」
そう言う真咲ちゃんの返事を、俺は笑いながら待っている。
答えはもう、分かっているけど。