嫌い、のち好き、のち愛

「風見さんが?」


「はい、笑い方も変わったって。胡散臭さがなくなったって言ってました」


大翔にそう言われ、大智はぐっと言葉に詰まりむせた。


「真咲にも言われたんだけど……俺、そんなに胡散臭さかった?」


珍しく少し弱気な大智に大翔はまたニヤニヤする。


そんな笑い方をしても爽やかなところが大翔のすごいところだ。


「呼び捨てにしてんですね~。俺的には、すかしてるっていうか。まぁ、いつもとにかく怠そうでした」


三日から四日に一度、それでも熟睡はしてなかったのだからそれも当然だろう。


「大智さん、女の子の前だとかっこつける病気だったからそれじゃないですか?」


そう言われ、反論できずロッカーに手をつく大智を大翔は意外そうな顔で見ていたが、やがて吹き出した。


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