嫌い、のち好き、のち愛
この子となら、安心して眠れるかもしれない。
俺のこと、受け入れてくれるかもしれない。
寝不足で頭が回ってないせいなのかなんなのか、そう思った俺は彼女の顔を覗きこむ。
「あのさ、俺と寝てくれない?」
「は?」
あ、間違った。
「違う、そうじゃなくて……」
慌ててそう言う俺に真咲ちゃんはすごく綺麗に微笑んだ。
はっと息を呑んで、でもそれが作り笑顔だと気付く。
「私、あなたみたいな男、大っ嫌いです」
そう言った彼女の笑顔に見とれた自分をごまかすように、笑顔を作る。