嫌い、のち好き、のち愛

「俺は、気に入っちゃったかも」


そう言う俺を、真咲ちゃんは真顔に戻って睨みつける。


「泣いてたこと言いふらしますよ」


「しないでしょ」


なんとなくだけど、そういうことは絶対にしないだろうと思ってそう言うと、真咲ちゃんは唇を噛んで俺を見た。


「あのさ、さっきのはそうじゃなくて……」


そう言う俺の腕を振りほどいて、真咲ちゃんは俺を睨む。
「うるさい、このヤリ○○男!!」


綺麗な顔でそんな暴言を吐いて、真咲ちゃんは走り去って行った。


俺はあまりの衝撃的な言葉に呆気に取られてその後ろ姿を見送った。


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