嫌い、のち好き、のち愛

「ヘビ苦手なんだ」


俺がそう言うとその名前を聞くのも嫌なのか真咲ちゃんはビクリと身体を震わせる。


寒気がしたのか二の腕を自分の手でさすりながら頷いた。


「苦手っていうか、生理的に受け付けないというか。テレビで見るのも嫌なくらいで……恐怖症です」


恐怖症……か。

俺のあれも、恐怖症に入るのかもしれない。


「俺も、真咲ちゃんと同じかも」


そう言うと、真咲ちゃんが俺のことを見ているのが分かった。


ちょうど信号が赤にかわって、俺も真咲ちゃんを見た。


「種類は違うけど。結構、深刻に悩んでてさ」


真咲ちゃんは、不思議そうな顔で俺を見ている。


なんで私にそんな話するんだろうって顔だ。


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